大変お忙しい中、東京都中学校音楽教育研究会総会、研修会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。こうして参集してできる総会はコロナ禍に於いて、昨年度に引き続き2回目となります。コロナが収束したわけではありませんが、この5月8日より、コロナが5類となり、感染対策ガイドラインを撤廃した自治体も多くあろうかと思います。これを機に、日常の教育活動を如何に正常に実施していくかが一番大切ではないかいと思います。子供たちの学びを止めず、本研究会ではコロナ前の規模の事業計画を立て、研究活動を本格的に再開して参りたいと思います。
さて、常任理事、各地区理事の先生方をはじめ全都本会員の皆様方には、昨年度より本研究会へ事業に対してのご理解ご協力を賜り感謝申し上げます。私は、本年度も引き続き会長職を全うして参る所存でございますので、皆様方の変わらぬご支援、ご厚情の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。区市町村教育委員会様をはじめ各校の校長先生方には、音楽科の持つ特性をご理解いただき、子供たちの音楽の学びを止めることなく1年間のカリキュラムを円滑に実践できるようご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。音楽科教員の皆様方に於かれましては、必要に応じてマスクの着用など引き続き感染対策を施した上で、子供たちへの音楽教育に当たっていただきたいと思います。
学習指導要領全面実施から3年目となりました。音楽科に於かれましては、学習指導要領の趣旨である「主体的、対話的で深い学び」を通して、音楽的な見方・考え方を働かせ、生活や社会の中の音や音楽、音楽文化と豊かに関わる資質・能力を育んでいただきたいと思います。
1 令和5年度本研究会の活動の重点について
(1)「学習指導要領の内容を踏まえた授業実践を図ること」
音楽科で育成を目指す資質・能力が「生活や社会の中の音や音楽、音楽文化と豊かに関わる資質・能力」と規定され、そうした資質・能力の育成を目指すために「知識・技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の三つの柱に沿った目標が示されています。このことにより生徒が教科としての音楽を学ぶ意味が一層明確になっています。学年の目標についても、教科の目標の構造に合わせて、3つの柱で整理されています。
また、内容構成については、「A表現」「B鑑賞」及び〔共通事項〕で構成されています。指導する内容は、「思考力、判断力、表現力等」「知識」「技能」のそれぞれの資質・能力に対応するように構成され、指導すべき内容が一層明確になっています。学習指導要領の実施にあたっては、これらの点を踏まえながら、先生方が自らの授業について振り返り、指導の改善を図っていけるよう実践研究を推進し、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善のモデルを開発してまいります。
(2)「Withコロナにおける音楽科授業の在り方を提案すること」
新型コロナ感染症は、収束したわけではなく依然として存在し、第9波が予想されています。こうした状況を踏まえ、Withコロナにおける音楽科授業に於いての配慮事項や、年間カリキュラム、題材、一展開等の工夫改善等について実践研究を深め、効果的な取り組みについて提案します。
(3)「3観点による評価方法についての研究開発すること」
令和3年度の全面実施からすべての教科の評価の観点が、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点での評価になりました。文科省国立教育政策研究所から「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料が、東京都教育委員会から「指導と評価の一体化を目指して」(令和2年9月)が発行されました。また、これらの資料に基づく各地区独自の評価資料を作成された自治体もあるかと思います。本研究会においても3観点評価の在り方について「何を根拠資料とするのか」「どのような評価規準で評価するのか」について検討し、特に「主体的に学習に取り組む態度」については、「粘り強い取組を行おうとする側面」や「自らの学習を調整しようとする側面」を何を資料としてどのように評価するのかについての実践研究を深めてまいります。
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